『だいすき』 ほほを つたう あたたかい なみだ ほほを つつむ あたたかい てのひら わたしを みる あたたかい ひとみ わたしを みる あたたかい こころ このまま とろとろに とけてしまいそうよ あのひの やさしい チョコレェトのように 『朝焼けと夕焼けのその向こう』 朝焼けの向こうで踊る 歌声はいつの間にかワルツ 夜色のあなたの温もりに包まれて 漸く見つけたの 臆病なわたし ねえ幸せなの たなびくあの雲よりも優しく ねえ幸せなの のぼるあの朝陽より優しい 夕焼けの水底で笑う 気がつけば恋に堕ちてた 夜色のあなたの温もりに包まれて 漸く見つけたの 幸せの意味 ねえ大好きなの あなたの奏でる物音さえも ねえ大好きなの あなたの小さな動作でさえも 朝焼けのしたで笑い 夕焼けのうえを歩こう あなたを思えば いつだって夜に包まれていた 『 CAMERA 』 綺麗だと思ったから 構えたカメラ フレームの小ささに 愕然とする ピントを合わせて 逆光を考えて 苦心しながら やっとシャッターを切ったら 綺麗だと思ったあの景色ではなくなっている 心奪われるほど完璧に見えた散りかけの花 ぺらぺらの紙の中に見て 初めてひどく不恰好だと気付いた わたしが感じた感動を感情を 人に伝えることは 困難で きっと不可能 悲しくて 切なくて 悔しいけれど 少しだけ誇らしい 特別なカメラ わたしだけのカメラ 『 蝙蝠は月を愛した 』 守ってあげる と伸べられた手の 温もりにしがみついて 昼の月にまどろむ 輝きは失われて たとえ朽ち果てようと この手のためならばと 誓えぬ身を呪った 優しさよ 優しさよ わたしを殺せ それでなければ 世界を殺せ 『 重罪 』 苦しむことが正義なら 幸せになることは 罪悪に過ぎないのか そうではない と私は笑えない 私の罪は 重すぎる 『 残酷なひと 』 朗らかな貴方の笑いに 笑い返す私の醜さに なぜ そうも気付かないでいられる? 臆病な私の嘘と偽善が降り積もり ふたりの距離は こんなにも離れたのに あなたは どうして いつまでも気付かないのだ 『それは美しい?』 なぐさめの響きをもって やさしさの刃で刻む くるしみは胸の中で淀み かなしみは海底を這う いたみの中で よろこびが咲くのなら 涙はなにを呼ぶのだろう 『 no title 』 かなしみとか にくしみとか どうでもいいものが全身を支配して 夜空におぼれかけた私を 朝焼けに引きずり込む 私を辱めたものは いずれ世界にはびこって 青い海さえ埋め尽くすだろう 『 滑稽な僕のダンス 』 僕を望む 死と生とが 鼓動に合わせて 舞い踊る 悲鳴は足元に這いより 狂喜は首筋をなでる 死ぬのか生きるのかを 決めるのは僕でない何か 僕が選べるのは 死ぬために生きることだけ 『 分からなくなった 』 どうして がんばるのか どうして 疲れるのか どうして 笑うのか どうして 泣きたいのか どうして 見上げるのか どうして 苦しいのか どうして どうして どうして 生きるのか |