『 灰色の霧 』 何年も 何年も 胸を離れない灰色の霧 晴れ渡る空に 呪詛を吐こうと 土砂降りの中で 声を嗄らすほど叫ぼうと 消えることなく 消えることなく この胸のどこかで ゆれゆれる 死ぬまで逃れることはできまい 死んでも逃げられないかもしれない 無視するべきか 戦うべきか それとも愛するべきなのか 何年も 何年も 嗚呼 この胸を離れない灰色の霧よ お前は最後に 何を残すだろう 『 泣かせたくなんか 』 おまえが死んでも わたしが死んでも 世界にはなんの影響もないだろうけど 涙からすまで悲しんでくれる いとしい人が ひとり ふたり 生きてく理由なんて それで十分じゃないかな 泣かせたくなんかないだろ 『馬鹿野郎どもめ』 オイオイ 悟ったような顔をして 何もかも見下してる そこのバカ 血反吐吐くほど足掻いたこともないくせに 胸かきむしって泣いたこともないくせに 悟ったような顔をして 生意気に大人ぶんなよ この星だって まだまだ捨てたもんじゃないぜ よく見てみろよ 寝ぼけ眼でさ 『 自由への賛歌 』 終わりが近づく 足音が聞こえる 始まったことなどなかったくせに 生きている限り 誰も自由なんて知らず 小さな檻の中で 小鳥が至福を謳う その背にたとえ羽がなくとも 終わりを告げる 足音は近づく 謳えや 謳え ナイチンゲール この羽ならば くれてやる 『 救われない花』 救われない花が 温室に咲いている 絶え間なく与えられる 平等な愛 幾度となく注がれる 不変の温もり もう ここでしか 生きられないなんて ああ なんて 救いようのない… 『 叫べばいいんだ 』 退屈な日々に 虚ろな日常に 不平を言うなら 走り出せ 足掻かなければ始まらない 価値なんて あとづけで十分だろ 『 黒い森 』 黒い森が呼んでる ぼくの中の青さを 限りなく広い空を 吸い込んだぼくの肺を 黒い森が呼んでる ぼくのことを呼んでる 『 no title 』 だって僕らは 夢を見ていた 苦しいと歌う星のきらめきと 悲しみに笑う森のささやきを 足元に感じながら それでも 『 蝙蝠 』 白い闇は微笑う ぼくの温い感情をなぞり 痛む傷口を舐めて 細い腕で孤独を溶かし 赤い瞳でぼくを乱す 正義と温もりのはざまで ぼくはいつもかんじがらめ どちらの道を選んでも 世界はぼくを許さない それならば誓いを この血肉に刻め 血の海のその上でこそ ぼくは死にさえも勝る 『 I loved you 』 君を想うとき 怒りは なりをひそめる あるときは懐かしさによって あるときは悲しみによって |