『先駆者』


真っ直ぐに真っ直ぐに突き進み
振り返り方を忘れて
帰るべき場所を失った人


























『志士』


悪もなく正義もなく
ただ己が信念と
燃える闘志の叫ぶまま
進んだ先には何かあるのか?



























『生き残り』


亡われた
美しきひとたちの前で
この生に価値はあるのか
問わずにはいられなかった
答えは、ない


























『今生の別れ』


二度と会えぬのは
あまりに辛すぎるから
行き着く先は同じだと
信じてみても構いませんか



























『不確か』


あの温もりは
夢でも幻でもなかったのだと
確かな現であったのだと
瞬く星に囁いたけれど



























『一本道』


赤い手を拭おうともせず
空を見上げた日
罪深さを知った
不思議と怖くはなかったけれど
戻れぬ道を想ったこともある


























『絆』


抱きしめたい時間は
とても遠くにあったけど
今はこぼれる星屑に願いをこめて
今は欠けゆく満月に祈りをこめて
壊れはしないと
信じていたいから


























『我が生命』


生きたかったわけじゃない
ただ
生きてくれとあの人に言われたから
生きねばならなかった
それだけの、生。


























『立ち上がった日』


壊れたことを
憂うだけでは
何も終わらず
始まらないと
初めて
気付いた日のことでした


























『成長』


振り向いても
そこに君はいなかった
二度と戻れないと
現実を思い知った日
そして僕らは
コドモからオトナへ
別れがもたらした成長