『懐中時計』 おそろいの懐中時計 まだ動いてるよ 使っていないけど 壊れちゃうんじゃないかと 失くしてしまうんじゃないかと 怖くて 使えない あのころと何も変わってないね、私 失いたくないの 何も おそろいの懐中時計 まだ動いてるよ 覚えているかい? なめらかな表面を 指でなぞっては 輝いてた君のいる日々を思い浮かべてる 君はまだ 覚えているかい? この時計が止まれば その頃には僕等 きっと 思い出と言えるよね きっと おそろいの懐中時計 まだ動いてるよ まだ動いてるよ おそろいの懐中時計 まだ繋いでるよ 二人繋いでるよね? 『陳腐な僕の』 失ってから気付いた 嗚呼 なんて陳腐なコトバ 愛されていたときに するべきだった恋 気付くべきだった 君の輝きに 君が好きだ 愛してる 嗚呼 なんて陳腐な。 『感情の名』 この感情に 例えば名前をつけるなら 君の名前になると思う 『破局』 僕は誰かに愛されたくて 君も誰かに愛されたくて だから 二人は 上手くいかないんだ もう やめようか ねえ 全部忘れて なかったことにしてしまおうよ 『選択』 君も僕も 正しい選択をしたよ 結果には繋がらなかったけれど 後悔をしていないと言えば 嘘になるけれど 『傍観者』 彼が愛したのは わたしではないから 眠る彼女の傍らで 嘆き哀しむ彼を わたしは見ていることしできない 『だから、今行くよ』 たくさんの人の背中を押して ほら希望を持てよと ほらまだ頑張れるだろうと 優しく笑ってくれるあの人は あの場所から 一歩を進まないでいる 貴方の背中は 誰が押してくれるの? 『さよなら』 さよならと 私は吐き捨てる 哀しみも痛みも 僅かな希望も 一緒に捨てたわ さよなら 『標識が嘘の道』 その笑顔が憎悪によるもので その涙が愛によるものならば 私たちは 何を基準にして この矛盾に満ちた社会を 歩いてゆけばよいのか 『君を想う』 桜舞い散る季節 ひび割れて 壊れてく青空を見ながら 最後に君は 何を想ったんだろう |